2005 09/22 22:42
銀猫
9/22 秋の長夜の連詩会 〜はらからレンジャー有志による〜
順番は
「栗」・・・?銀猫→?水無月一也→?いすら (敬称略)
「誕生」・・?水無月一也→?銀猫( 敬称略)
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タイトル「栗」
頑ななこころに 棘の衣を上掛けて
触れる者のすべてを キリリと睨む
芯は ほんのり優しく
ほろり 柔らかな金の褥を隠している
太陽が香ってくるね 流れてくるね
大丈夫だよ 痛くはない、ちくりとするけれど
爪を立てないように そっときみの芯に触れていいかな
優しいリスが相手なら 黙ってついてゆきましょう
でも、もしもきみの身を貪る虫が ボクだったのなら
この舌先と唇が届くところすべてを奪ってしまうかも知れない
たとえ熟した実ではないとしても
ボクにとっては ゴチソウ以外のなんでも なんでもなかったから。
タイトル「誕生」
岩礁から聞こえてくるのは人魚の吹く貝の音
波と波とを縫い合わせながら漂う
水母のやわらかさは幼き日の枕の肌触り
瞼を塞いでも洩れる雲母は幼き夢
瞼の裏側に広がってゆく天の川、命の軌跡
手のひらに触れるきみの温もりは命の証
沖をゆく船がいま漆黒の水底にいかりを下ろす
たゆとう海色の水浅葱に真紅の船底は映えて
見よ、あこや貝が満面の笑みで口を開こうとしている
女神の誕生を 我は見るのだ
※誕生のタイトルは中島みゆき氏に敬意を表しつつ拝借しました。