RT会議室突発連詩ログ保管庫[72]
2005 08/09 16:47
ベンジャミン
15:50〜16:40
ベンジャ味噌→ザラ×
一行連詩 10巡 (〆はザラ×さんです)
「びいどろ奇譚」
カーテンを揺らす風にうつる夏色は
窓際の金魚鉢を通して虹色に変る
踊る光にたわむれる尾ひれにまどろむ
水草のためいきの気泡は丸さを増して
うたかたの休息を呼吸するわたしもさかな
フローリングの川床に寝転がって
産み落とした言葉の粒がはじければ
ノートに刻まれていく角張った感情
きゅうに飛び跳ねた金魚の放物線が
単色の虹のように焼きついたから
とがった感情もやがて流線型になる
流れのなかで丸まる小石のように
かわくことのない瞳をうるませて
突き刺さるものをそっと洗いながせれば
いたみを忘れて上手に泳げると
強がるたびに剥がれる鱗がきらきらと
(それは涙ではないから)
鉢の底で光っているのはビー玉
いきおいよく飲み込むほどの勇気で
吸い込んで告げる「おはよう」