書き換え連詩スレッド[132]
2016 10/29 10:46
水菜

天井の高い屋根の向こうで
風が斜めに吹き抜けるとき
遠くを仰いでいた鳥が
こちら側に吹き抜けてくる

ざわめきの向こうで
水中の静寂
鳴り止まない耳奥の振動が
ざわめくように鳴り続ける

大きく腕を鳥の羽のように広げて
私は浮き上がりながら息継ぎをする
うねりながらリズミカルにキックをして


まるで泳ぐように空中を這う
薄い酸素の先に 鳥が震えている

天上の高い屋根の向こうで
鳥が 泳いでいる
鳥も人も 時間すら平行に
遠くを 仰いでいる

あれは鳥で私は
追いかけてくる鳥から追いつかれまいと酸素の薄い宇宙に踏み込む
私はまるで空中を自由に滑空しているかのようだ

顔にあたる水圧が 吹きすさぶ鳥の風圧のように感じられる
一気にターンをして

いつの間にか耳鳴りはなりを潜めて
私は、たった一羽の鳥になる
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