夢を見たら書き込むスレ2[209]
2007 08/18 22:29
佐々宝砂

悪夢のように思われるかもしれないけど、怖くはなかった。夢みているあいだ何が次に起きるかわからずびくついてはいたものの、これが夢だとわかっていた、明晰にわかっていたわけではないけれど、薄ぼんやりと現実ではないことをわかっていた。

私はプラントのような建築物の中に7,8人の人間といた。何人かは知人のような気がした。一人は私の弟だ。だが、私が弟だと思った相手は弟ではないと主張し、見知らぬ男と思った相手が弟と同じ名を名乗る。私は高瀬基世と名乗った(私の本名とは全く違う)。基世を知っている女性がいたが、彼女の記憶にある顔と私の顔は違うらしい。ここにいる全員、外見と中身が一致しないようだ。

一人の男がぶるぶると震え出す。躰がどんどん縮こまってゆき、反比例してして頭部のみ巨大になってゆき(耳や鼻など顔の造作は大きさを変えず)、なんとなく不安になってきたみんなが後ずさりする、と、ふくれあがった頭部が爆ぜた。あたりに飛び散る脳漿と血液、

ここから出た方がいいのではないかと一人がいう。なんとなく信頼のおけそうな、かつ体力のありそうな男だ。そいつの提案をのむことにして、プラントのようなその部屋のシャッターを開ける、と、

そこには大小無数の黒っぽい虫?としかいえないようなものがいた。節足動物の虫ではなく、ミミズやなんか、ああいうたぐいのムシ、だ。床にいるだけではなく飛んでるものもいる。なんだこりゃ逃げなくちゃ、

溶暗、

舞台に立っている。知らない音楽なのに演奏している。歌っているのはさっき基世を知っているといった女性だ、小柄で、高い声はやわらかい。彼女の手の平に、一メートルくらいあるワニのようなものがおりてくる。なーにこれー♪と彼女はワニを食べてしまう真似をする、すると、ワニは彼女の腹にすっかり消えてしまう。音楽中断、あれ、あたし、あれを食べてしまったの? いやまさかあんな大きいのがその腹に入るわけないでしょう。でも、でも、じゃああれはどこに行ったの?

彼女が苦しみ始める。うめきながら吐き出すのはトカゲのしっぽの先のようなものだ。なにこれ、ぐうううううううっっっっ、奇妙な声をあげながら、彼女の口から冗談みたいに巨大なタコのようなものがずるりと出てくる、彼女は倒れる、

わーっと私たちは逃げ出す。どこへ?さっぱりわからないまま走る。走って走って、またプラント内部のようなところに来てしまうが、なんとかプラントから逃げ出した。

外は夜だ。あちこちにサーチライトのような明かりが動いている。暗がりの部分を私たちは走る。プラントの外部は工場の敷地みたいだ。あまり人気がなくて地面は舗装されていて植え込みがある。そこを走る。と、銀色に光るまるいものが下りてくる。映画のシーンをいくつか思い出す。ET? 未知との遭遇? 違う。銀色に光るまるいものから茶色い粘液にまみれた不可解などろどろが突然飛び出す。映画のワンシーンではある。ただし、エイリアンだ!

エイリアンにつかまった何人かが顔から食われた。

走りに走って学校のようなところに到着。中に入ると教室があったのでそこで休憩した。でもなんだか安心できないような気がする。私は窓を開けた。なんで窓を開けるのと誰かに訊かれたので、何かあったとき窓から逃げようと思って・・・と答えたとたん窓とは反対側の壁のガラスがびりびり震え始めた。銀色に光る粉をちりばめた仮面のようなものが壁に張り付いている。

やばい!と思ったが遅かった。仮面から銀色に光る粉が吹き出して、あたり一面に広がった。銀色の粉に触れた部分はみるみる腐食してゆく。私は窓から飛び出た。私の他に二人飛び出て難を逃れた。一人は、私には見覚えがなかったけれど私の弟だと名乗ったやつで、もう一人はなんとなく信頼がおけそうで体力がありそうだと思ったやつだ。前者は一応弟らしいので弟、後者は単に男または彼と呼んでおく。

さらに逃げる。谷にかかった吊り橋に向かう急な石段を登り、登りながら考える、こんなふうに走ったり登ったりして疲れないのは、これが現実じゃないからだな・・・・橋を渡り終えて、最初に私たちがいたプラントとはまた違うプラントのようなところにたどり着いた。男はこのプラントをよく知っているらしい。

どうみても単なるコンテナのようなものに三人して入った。男が言うのに、これは乗り物なのだそうだ。コンテナの内部はガラスのかけらやネジやステンレスのくずのようなものでごちゃごちゃしている。彼がなにやら操作するとコンテナみたいなものは突然上昇し、しばらく水平に動いたかと思うと突然下降した。

失敗したな。男が言う。外から爆撃の音が聞こえた。屋根を突き抜けて落ちた場所はものすごく広いプラントだった。プラントの内部半分に水がある。コンテナはそこにプカプカ浮いた。水をのぞき込むとたくさんの自動車が沈んでいる。あたりはなぜかアニメのタッチになっている。弟はどこだろう、と探したら、プラント上部の高い窓のそばにいた。

おれ、ひとりでいくよ。

あ、あいつ飛び降りる気だ、と思った、とめるまもなく弟は飛び降りた。さて、あんたどうする?と男が言った。逃げるよ!と私は答えた、じゃあ行こうと男が言った。そのまま水に飛び込んで水路のようなところを泳いで進んだ。息苦しくはなかった。怖くもなかった。むしろうきうきしていた。


2007.8.15(mixiに書いたものを少々改定)
スレッドへ