2007 08/08 23:51
佐々宝砂
図書館のようなところで、白土三平か矢口高雄みたいなタッチのマンガ単行本を読んだ(マンガ仕立ての夢はときたま見るけれどマンガを読む夢ははじめてみた)。東北のどこかに住んでいてときどき短編集を出す程度の活動をしているマンガ家らしい。名前はわからない。短編集の最初の一編は、江戸時代の貧村を舞台にした話で、やたらに絵が暗かった。日照りの村で水争いが起きて、怒り狂った主人公(♂二枚目)はナタで相手(♂三枚目)の首をバキィィィッとやってしまう。その絵がまた見事に血しぶきをどぴゃーと飛ばしていて、こんなに血が飛ぶマンガ最近は見なかったような気がするなあ、とおもった。主人公は首と胴体を担いで山に入り適当に埋めて里に戻る。それから主人公は毎夜蟹に襲われる夢を見るようになる。二匹の蟹が這い寄ってきて主人公の顔面をガシッと掴む。うわあああああっと叫んで目覚めると朝で、そんな日が続くので主人公はだんだんやつれてゆく。ある日、山を歩いていた村人が屍体の一部を見つける。なんだこりゃということで村人(主人公含む)が土を掘ると蛆虫に覆い尽くされた屍体が出てきた。その両手はなぜかがっちりと何匹ものミミズでできた塊を握っている。なんだこりゃ、と主人公がその手を開こうとした刹那、開いた両手からミミズがこぼれ落ち、蛆虫だらけの腐った両手が主人公の顔面めがけて襲いかかる!というところでおしまい。なかなかちゃんと腐った絵でよろしかった。けっこう面白いじゃんと思って読み進んだところ、他のマンガは東北の日常生活を淡々と描いたものばっかりでいまいち面白くなかった。
私はマンガが描けないので誰かマンガ化してくれい(他力本願)。
#いつもより擬音が多いのはマンガだからである。