限り無く病的な思惟
南 翔



いっそ 君を離さない為に 君を拉致して
縛り付け 自由を奪ってしまえば 一糸も
纏わぬものが恐怖に怯えて悶え 擦り切れ
た手足から滴り落ちる鮮血は 床に不可思
議なものを描写仕始めるであろう


いっそ 君を強く感じたいと思えば その
白きものに 優しくまた激しく 爪先から
隈無く愛撫が進み そして君の喘ぎは互い
の唇が重なる前に 恐怖から快楽へと昇華
し 君は自らそれを感受することであろう


いっそ 君を永遠に束縛したいと感じたら 
 深層に潜む邪気が目覚めて その豊かな
胸に鋭きものを突き刺し 激しく迸る鮮血
が 歓喜の叫びを招いて愛欲の極みに達し 
 軈て この限り無く病的な思惟は 静か
に真を知る糧となるであろう


自由詩 限り無く病的な思惟 Copyright 南 翔 2007-01-03 17:29:45
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