夜明けの街
ぞーい

あと もう少しで、この街が起きる頃
私の部屋では 時計の針と雨音が
憂鬱と静寂という色で染めあげている
その色が塗られてしまうのを感じるたびに
私は なぜここに居るのかと
深く深く 針の音のようにコツコツと
終わりのない 一つ一つの過ぎ去った感情を浮かび起こし
雨音のようにポツリポツリと 後悔してしまう

私は とても強い人なのだけれど
この 綺麗に染めあげられた部屋では 弱気になってしまう
そんな時に 深く深く考えてしまうと
時間というものは いったい何なのだという事につきあたってしまう

針が 規則正しい音を奏で
それを雨が優しく 雫に包み込み アスファルトを黒く塗り込む

この夜明けの街を
私は 少しずつ違う色になっていく自分を感じながら
深く深く ため息をついていた


自由詩 夜明けの街 Copyright ぞーい 2006-12-30 21:36:08
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