みられてた
砂木

付き合ってたって?

同窓会の席で唐突にきかれた

は? 誰と?
と 聞き返すと

詩の交換してらがったって
話 聞いてきたど と
興味津々の同級生

確かに 詩を見てもらった同級生の男の子はいた
しかし 何度もない
センスのある人で
煮詰まって 休み時間に 無造作に聞きにいった

今 思い返すと 堂々と なんのためらいもなく
人眼も気にせずに教室の中で
紙切れなど持って 話かけたりしたものだから
あらぬ噂になっていたらしい 悪い事をした

まったく 詩について きいただけだった
向こうもそんな気もなく 
感想のあるものは ちらっと書いてくれたりした

それだけだといっても おもしろいわけではなく
酒の肴に好き放題 脚色されたような気がする

休み時間の一瞬の出来事が 何十年後に 笑い話になっていて

楽しいだけの学校時代ではなかった
書きたくない事もいろいろある けれど

時間は流れている
終わりながら流れている

詩のことをきいただけと言って
どれくらいの人の 信用をとれるのだろう

いやいっそ 詩より男性めあての方が
健康的なような気がするんだけど

知らぬは本人ばかりの有名な話だったらしいに
あきれつつ 笑いつつ

迷惑な顔はしなかったな そういえばと
いまさらちょっと 見直したりしている

たわいもない 午後であった






自由詩 みられてた Copyright 砂木 2006-12-30 14:50:31
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