しずかなくるぶし
黒川排除 (oldsoup)

息止めてトランペットを組み立てる

菜を並べるまっすぐ雨になるように

遠くのビルを飛び降りる無数のドミノ

日没に窓砕かれ見え出す透明街

誰彼の名前叫んでねじまく熱

鮮やかに書類蝕む夢で書く

寺錆びて海にも雪は降る

人形の髪一本一本本の紐

ううと来て沁む

今日からは等間隔に黒い賽

青ければ空 肌色であればひと

数千トンのパレードに喰われ住まれ焼かれ

放置された中古車に星も導きなどやめ

またがる海の水平線に淡いたてがみ

老木に兆すばかりが鳥の意義

静寂の大半食器すこし雷

その頃の雫まだ閉じた傘に兵士

後日 猫は来ていた

双子池に双子両目を映しにくる

火花を伝い歩く裸足もまぶしい


川柳 しずかなくるぶし Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-12-30 05:50:43
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