死ぬ雪
ゆうさく


ありえない数の
人の涙は
知らぬ間に
雲へと吸い取られ
雨となる

(僕の目の前で雪が死んでゆく)

神はそれを固体化し
白くペンキで色をつけた
人はそれを
「雪」と呼んだ

(僕の目の前で雪が死んでゆく)

雪は誰かに
受けとめてもらうために
空からまっさかさまに落ちて
何か温かいものに触れて
ふっと消える

(僕の目の前で雪が死んでゆく)

雪は寒くてたまらないから
温かいものに触れようとする
そして死ぬ

わが身が消えるのも
恐れないのです

(僕の目の前で雪が死んでゆく)

雪さん雪さん
儚いね
儚いね

雪さん雪さん
さようなら
さようなら


自由詩 死ぬ雪 Copyright ゆうさく 2006-12-28 20:26:41
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