日光宝石
キメラ



赤い信号灯の錯乱
ふらふら頭のすぐそばで変わり逝く
いとましく尖った雑踏に
いり込む隣接にとり乱す
なみだし儚い花びらが電脳をつき抜け
何時間オレは彷徨っていたんだろう

足下から水滴が逆流する狂気
おかしげな柱をたちあげ
ものすごいスピードで上空へ吹き上がる
どうやって気持ちを伝えようか
まちがえを意識するほどに
おろかしい取繕いに
ひかりが奪われてしまうなら
溜め息をつく夜の行列で佇んでいた
あの瞳から
どうしたら永遠をつかめるのか
そんな刹那的ないいわけすら
君をかくそうとするオレをのみこみ
香りが脳髄を刺激しながら
闇をたのしげに泳ぐ
オレはいそいで手をのばし
幻影はまぼろしをさしのべ
純粋なんて無垢なんて
信じてはいなかった

傷つけるようにまたきみを汚しながら
遭難した赤ん坊が啼きわめいている

今夜どこまでゆくの
もうわからない
クリアな微笑みを
きずを舐めあうように
せめぎあう裸体に
くるくる
くるくると
鼓動がどんどん速度をあげ
熱帯をまきこんでいるのが見えるか
ほこりっぽい大気すらかき消し
血流はパヴァーヌ
めの前にいるのは
きみだろう
どうでもいいほど日々が
こんなに泣いていたのはなぜだ
もうわからない
性交を終え
安堵のきみを
ゆかに投げたおしすぐまた犯す
さよなら
さよなら
あしたになる前に
きみになにを伝えよう
星輪に天使の雨水が無音をきりつけ
君にひざまずき
つめたい足先に
きす


もうすぐ
きらきら赦しがおりてくる
そんなことわかっていた
わかっていたはずなのに


だきしめて呉れ






自由詩 日光宝石 Copyright キメラ 2006-12-27 19:00:40
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