impromptu
ウデラコウ
白く無骨な あなたの指が
真っ白な鍵盤の上を 滑るようになぞって
この世の何よりも 美しい音を奏でるように
いつの日か
あなたのその 無骨で愛おしい指が
あたしを 奏でる日が来るように
あたしの細く か弱い この指は
あなたのキレイな 頬を そっとなぞって
全てのコトバを 熱く 弱い 吐息にかえて
一度だけ 確認しあうように 薄く 笑んで
あたし達は セカイから 狂い堕ちていく
あなたが 音を綴るなら
あたしは 言を綴るわ
そうすれば ウタができるでしょう
ねぇ あなたを あたしに くれると 云うのなら
その音を 永遠に 奏でると 誓って頂戴
あたしの手が 欲しいと 云うのなら
あたしはこの唇で 言を紡ぐから
あなたが 手に入れた この あたしの手で
あたしを全て 書きとめて 頂戴
ウタをウタウの 誰にもきこえない でも皆知ってる
あのウタを
あたしの手で あなたが 奏でて
あなたの唇で あたしが 歌うから
さぁ どうぞ
もうセカイは 誰も気付けないほど
遠くなったから
静かに 静かに ハジマリさえわからない
impromptu を。
あたしの為だけに
奏でて ちょうだい。
自由詩
impromptu
Copyright
ウデラコウ
2006-12-26 23:31:49