ココロザシ・クッキング
ブルース瀬戸内

はい、まずは
詩情を刻んでください。
そう、イチョウ切りです。
しっかり、一口大に
込み上げる詩情を刻んでください。

では、次に
ココロザシの皮を剥いてください。
ピーラーは敢えて使わないでください。
ゆっくり、じっくり
皮を剥いてください。

あ、詩情にしてもココロザシにしても
最初によく水洗いしてくださいね。
もう、遅いかな。
でも今から洗ってください。
間に合います、ギリギリ。

さあ、それでは
ココロザシと詩情をボウルに入れて
反駁のための反駁を少々加えて
ぐるんぐるん混ぜてください。
泡だってきたら、ひとまず横に置いてください。

次に
ヒラメキの対象を大きく広げて
黒胡椒をたっぷりとかけて
フライパンで焼きます。
華麗に、洒脱に
フライパンで踊らせてください。
ヒラメキの、自由にさせてください。
ヒラメキの香りがキッチンを包みます。
いいんですよ、それでいいんですよ。
ではひっくり返して
両面を確実に焼いてください。
少し焦げ目をつけるのがポイントであり、すべてです。
うまく焼けましたか。
では皿に盛ってください。

そしてすかさず
横に置いておいた
具沢山ソースを
ヒラメキ汁の中へ投入です。
一気に、限りなく一気に。
そしてすかさずアイロニーを
まぶしてください、哲学的に全体に。
はい、ココロザシソースの完成です。

ヒラメキにかけてください。
思う、存分。

完成です。堂々の完成です。
ココロザシソースで食べるヒラメキです。

では、いただきましょう。
世界に先駆けて。


自由詩 ココロザシ・クッキング Copyright ブルース瀬戸内 2006-12-26 00:30:53
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