あかき月
緋月 衣瑠香

寒々とした夜空
明々とした駅前
その中間にある一本の坂道
そこからは海の向こう側が見える

点々と輝くひかり
その所為か
頭の上にいる星達は
微かなひかりを放っている
今にでも消えてしまいそうに

そんな中
海と空の境目に見えた
とても細い
でも
煌々と輝くあかい月

でも
誰もそんなことには気付かない
街を行き交う人々は
この地しか見ていない

今も密かに浮かぶ
あかい月

ねぇ
誰か気付いて





自由詩 あかき月 Copyright 緋月 衣瑠香 2006-12-25 12:20:06
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