悟り
山崎 風雅

 瞳と耳を通じて心に映る無限色の光景
 日々厭きることなく続く生命の伝播
 取り越し苦労の多い俺の手には
 細かく繊細な線が縦横無尽に刻まれてる
 今日も刺激の多き日が終わる
 右脳も左脳もきな臭い
 いつ破れるか分からぬ無気味さ
 たった一本立った樹にさえずる小鳥の群れは
 樹の想いを知らぬ
 ふらふらイルミネーションの街を漂う
 10年後のことを予想してみる
 10年後もここで世の中を斜めに見て
 コーヒーと煙草を友達に
 造花のような希望の詩を書いているのだろうか
 滑稽な人生、それも悪くない
 弱さ故に人を求め
 弱さ故に人を裁き
 そんなこと
 そんな非生産的なこと
 これでいいのか
 頭の片隅で囁く声がする
 ジャストミートした時の快感
 そんなものがモチベーション
 部屋の鍵はかけてある
 今のところ安全だ
 多くを求めれば求めるほど
 自分が卑しくなってしまう
 欲を消し去れば無力に甘んじる
 正直僕には分からない
 当たり前のように金を借りにくるオヤジ
 もう、いい加減にしてほしい
 もう、笑うしかない
 自分で見つけるしかない
 導きは期待できない
 これから歩こうとする道の先には
 大きな穴ぼこが空いてる気がするんだ
 
 それでも、いいや


 


自由詩 悟り Copyright 山崎 風雅 2006-12-24 01:12:31
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