ハレルヤ
大覚アキラ

世界はまるで
脱ぎ捨てられた下着のようだ
帰る場所も向かうべき場所もありやしない

ありとあらゆる暴力のすべてが過ぎ去ったあとの
見渡す限りの静謐の荒野を
美しい耳鳴りをBGMにしておれたちは歩いてゆく

掌には一枚の硬貨も一粒の穀物もない
そんな空っぽの手を繋いでおれたちは歩いてゆく
なんという輝かしい絶望

耳鳴りは永遠に止むことはない
悲しみよ降り注げ
何もかも埋め尽くしてしまうまで


自由詩 ハレルヤ Copyright 大覚アキラ 2006-12-22 10:20:05
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