ささやかに、たくらみ
六一介

枯れ木にも電飾の賑わいで、
世の中はまったく クリスマスの容貌、

クリスマスの前の夜には、 
おんなのこは いちごのようにあいらしく
はねのようにやさしくきかざり、
誰かの腕に あらねばならぬものらしいのだけれども、

ここに ごろんと転がった
煤けた だる磨一つ、

つかまるべき腕も やさしさも
とりたてて特筆すべき事象の無い訳でありますが、
夜になれば 台所にこもって
餡をのべ ぜんざいをつくり
26日にもなれば にょきにょきと手をのばして、
半額セールにかけられた やさしくあいらしいものの
おこぼれにあずかろうという算段なのです、





自由詩 ささやかに、たくらみ Copyright 六一介 2006-12-17 09:29:13
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