さらさら
さき

さらさらと零れていったわ
貴方
あんなに細かくちゃ
骨も拾えない


きっと
暖かな夢を見ていたのでしょうと

自分を甘やかす
凍えて死んだ
少女が擦った
マッチ棒の先
夢に酔えたまま
私も死ねばよかったのに


取り返しがつかない
苦い煙を呼ぶ
一瞬の風
些細な一言
冷酷非道な貴方は
氷山の一角の下を
探りもせず
心臓が波打つ音も
すぐに忘れた
幸せな夢だったと
貴方は一人で結論づけた


さらさらと零れた
あの日の気持ち
夢幻だったといわないで
貴方のその
腕の中
今いる女のその肌と共に
私の熱を抱いたことを
思い出して


ねえ
さらさらと
さらさらと
零れた
私たちの
あの日


取り返せないと
神様は
言うのね






自由詩 さらさら Copyright さき 2006-12-17 01:57:31
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