なきがら
ユメアト

思い出のなきがらを
脳髄からひっぱり出したくて
頭を掻き毟っても、
何度も剥がしたかさぶたが
消えない痕になるように

コピーされて
劣化しても
残っていく

濡れた睫毛は乾かないなら
いっそ炭になってしまえば
いいのに

願っても
祈っても

椿のように
ほろりとは
死ねないものだ

私に優しくないものなど
何一ついらないのに

なきがらを携えたまま
生きなくてはいけない


自由詩 なきがら Copyright ユメアト 2006-12-17 00:13:25
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