化身の化身  〜創書日和「紙」
白雨パル
 
 
プリンタから大仰なオノマトペとともに
吐きだされた紙は
わたしのこころの化身の化身
余白がもう白すぎて
わたしは震えてしまう 指先 くちびる
間のぬけた音がきかいてきで
出来上がったなまあたたかいそれは
とても陳腐でちんぷんかんぷんで
わたしは鵜呑みにしてしまう
「それは詩ではなーいと言うのなら
 わたくしはそれでも
 いっこうに構いませーんことよー」
などと言いながら
ぴらぴら遊んでいたから、そいつは怒ったのだろうか
わたしの人差し指をすうと切った
流れでる赤いわたしと痛みは
わたしのこころの化身の化身を汚しながら
すこしずつそれを詩へと近付けていった
ような気がした
痛い
 
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創書日和、過去。