囁日
木立 悟
涙が涙へ落ち
映る雪は昇る
花はひとつ多く
土に消えずに残る
やわらかに覚める
手の甲ふたつ
波と曇の鳥
鳥に沈む鳥
ひとみしり
とおまわり
道 花 原
ひとつまみ
振ると光る
地と空の線
ああおい ああおい
つつむ よびごえ
曇のひとつぶ
手に葉を描き
伝うより速く
染みこむ音
空あおぐたび
水の歌垣
片目だけの花
くちずさむ朝
自由詩
囁日
Copyright
木立 悟
2006-12-14 16:01:13