玻璃の空
未有花

僕は憎む
青硝子をはめ込んだようなこの空を
あなたのいないこの世界を
僕は憎むよ

翼をなくした僕には
もうこの空を飛ぶことはできない
あなたへの嫉妬でたぎり狂う
僕の醜い心よ
壊れてしまえ

どうすることもできない哀しみに
僕は醜い怪物になって行く
空よその澄んだ瞳で僕を見ないで

この惨めな姿を晒すくらいなら
いっそあの硝子の空を叩き割って
粉々に砕いてしまおう
そして空の欠片よ
僕の心臓を突き刺して
僕を殺してしまうがいい

この不浄の大地に堕とされた身ならば
もう生きていく価値もない
ましてあなたのいないこの世界なんかに
僕はもういられない

僕は憎む
この地上に堕としたあなたを
そしてそれでもまだあなたを愛している
僕の心を憎むよ

せめて翼があったなら
この澄んだ空を飛べたのに
青い哀しみが僕に突き刺さる
どこまでも続く玻璃の空


僕は一体どこへ行けばいい?





自由詩 玻璃の空 Copyright 未有花 2006-12-13 11:56:46
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