同じ月を見ている
1486 106

コンビニへと向かう無花果の坂道は
街灯の灯りがほとんど無いから
月の光が際立って見える

変わらぬ愛に誓いを立てる人
変わってしまった愛を嘆く人
平和な世界に願いを託す人
誰もが同じ月を見ている

そして僕は遠く離れて暮らす
大切な人の顔を思い描いていた

深夜一時に突然の着信
受話器越しの声が震えていた
普段は見せない君の姿に
かける言葉が見つからなかった

「同じ月を見ているよ」
そんな使い古された台詞でも
君は少し楽になったと言った
二人の気持ちが繋がった気がした


自由詩 同じ月を見ている Copyright 1486 106 2006-12-11 00:39:56
notebook Home 戻る