拳
さち
君は拳を握りしめた
けれど
誰かを傷つけてもいいと思えるほど
君は自分が嫌いじゃなかった
右手に込められたその力は
壁を思い切りぶち抜いた
正しいことを言う時の
大人の無神経さに
拳は涙で濡れていた
その正しさを誇示する為に
必要以上に見下され
拳は絶望に震えてた
正しいことを言う時の
大人の無神経さに
拳は心を閉ざしてた
自由詩
拳
Copyright
さち
2004-03-30 07:54:36