木枯らしとトモダチ
ヨルノテガム





冬の太陽が 目を差す

背の高い木々の間から

何度も何度も光の手足を伸ばしてくる

子供の影法師が10メートルもあるよ

木々が寒い風を運んでくる

口の中に冷たい綿菓子がすべり込んでくるよ

キミがまだ半ズボンをはいているなんて驚いちゃうね

大人はみんな 鉄の移動物に閉じこもっているけどね

老人が走る  鉄の箱型移動物に乗るために
子供が集まる 寒い―って言っていれば温かくなるのが不思議
宣伝の旗がパタパタと風を切る  
どうして旗ばかり いじめるんだろう

草木が色を失っていくのは
移動物が走り去って後に ひどく冷たい竜巻を
起こしていくのは
おしゃれスカートを 仕方なくズボンに
させてしまうのは



トモダチの仕業



太陽が目に差しこんでくる季節の

ほら こちらを指差してる








自由詩 木枯らしとトモダチ Copyright ヨルノテガム 2006-12-06 09:10:51
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