どこかへのお手紙。
狠志

おじいさん。
おばあさん。

私は、あなたたちを見たことがありません。
声を聞いたことも。
名前でさえも知りません。

私は、あなたたちが死んでしまう前に、
居なくなったのですね。
写真もほとんど見たことないのです。

私は、淋しくありませんよ。
だって、存在自体を知らないんだもの。
(一度は見てみたかったかも。)

けれど、母親によく言われるのです。
背の高いとこは、あんたのおじいちゃん似にとる。
トマトが好きなとこは、おばあちゃん似にとる。

へー。としか、言いようがありませんが。
あなたたちの血も、流れてるのでしょうか。
不思議な感じです。

おじいちゃん。
おばあちゃん。

いつか、逢いましょう。

(私が分からなかったら、会釈だけでもよろしくお願いします。)



自由詩 どこかへのお手紙。 Copyright 狠志 2006-12-04 14:02:24
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