都会のベンチ
ぽえむ君

電柱と同じように
等間隔に植えられた木々の公園
朽ちた木材のベンチだけが
元来の自然を人々に示す

誰も座れなくなったベンチは
誰も迎えることができず
ただ一人で
日向ぼっこを楽しむ
唯一の贅沢

西日は当たらない
放課後の子どもたちは離れている
わずか一瞬だけ
雀が肩に触れる
唯一のあいさつ

暗くなり始める頃
また明日ねと
子どもたちが別れてゆく
ベンチもまた
一日を終える


自由詩 都会のベンチ Copyright ぽえむ君 2006-12-04 12:17:21
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