またたく夜の漸近線
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途切れさせないことを唯一の目的にして
わたしは
大きな夜を千切り続けます
半分をまた半分に
それをまた半分に
そうしていればいつまでもなくならないのです

君の髪がメロディになって
行方知れずのカーブと猫の鳴き声
吹けない口笛をバッタが踏み
わたしは
そのバッタを踏みつけて君に踏みつけられます

一番脚を広げられるスカートを着て
ソラノアジまで駆けてゆけば
はだしの裏に突き刺さる小枝やムカデが
月に口付けしに出かけるところです
ごらん!
いま、きみはじぶんでもしらなかったところに!
ためいきにそっくりな風が吹いて
口笛にそっくりな音が駆け抜けていきます
ほんとうは止められるようなことを
わたしたちはすすんで続けていたのです

湖でせわしく溺れていたアリが今動くのをやめて
柔らかくて優しい水に撫でられています
穴の空いた葉の向こう側に見える大きな夜
半分を半分に
それをまた半分に
千切り続けた夜はもう小さくなって
それでもまだ半分に
とろり、千切られた夜が撒き散らされた上で
口笛の形の唇がたどり着きます










自由詩 またたく夜の漸近線 Copyright ________ 2006-12-04 00:58:44
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