脳裏痛
黒川排除 (oldsoup)

綿眺めて暮らす明くる日も明くる日も朧

不慮の隣人また白黒に配信され

キリツキリツと鳥が鳴き針だらけの天井

米量る音血の減る音が手をつたう

動力装置をちぎる人形たましい見えて

季節というより暴れ狂う蛇で帰れず

舞いそびれてそばの藪から天誅の矛

異性と田と沢を隔てるのは共食い

紳士の袖から機首ひたいにカギカッコで囲む

星よりもあかるいガス灯どこまでも穴

首に触れるアルミサッシがギロチンに見える

壁面に枯れ葉渦巻く日の帰宅

潜水地点の波紋消えゆく茶室の和み

銀の炎に囲まれ月の輪との呼応

不在の席につがいの鳥の羽重なる

長い距離を石と化しつつ廃材の馬

炉が数千度にサファリを映し塵蠢く

手袋の中身は手である落ちている

黒い大樹に満ちた古いフィルムの上映

話はそれだけ 草を刈る日が続いた


川柳 脳裏痛 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-11-19 16:50:07
notebook Home 戻る