ことり
暗闇れもん

ことりことりと首が落ちる
シーツの上に散らばる椿の花
ことりとおちる音が聞こえるようで
耳を押さえてうずくまる
何が怖いのか何か悩みがあるのかと
たずねる男の声さえかき消されるほどに
ことり
音は内耳を狂わせる
椿はことりと首を落とす
何も言いやしない
ただことりと首を落とすだけ
若い日の過ちと言えば許されるのか
見えない椿がまた一つことりと落ちてゆく
ことり
愚かだったママをゆるして


自由詩 ことり Copyright 暗闇れもん 2004-03-24 21:47:18
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