哲学かくれんぼ
ブルース瀬戸内

もういいかい。

まあだだよ。

もういいかい。

まあだだよ。

もういいかい。
もう探してもいいかい。
もう見つけてもいいかい。
探すことで見つかる程度のことを、
もう探してもいいかい。

まあだだよ。

まだってことはいずれ探し始めることを
認めてくれるということだ。
つまり君は探すことで見つかる程度の
存在と、こういうわけだ。

・・・・

あれ・・・もういいかい。

まあだだよ、というか
本当は僕が君で君が僕で
僕が探しているものを君は探していて
君は僕を探そうとしているけど
それは実は君自身で
僕も僕自身に見つけられようとしていて
つまり、堂々巡りのようでいて、要するに、

隠れなよ。

要するに
隠れるということは
僕が僕を無意識に
否認しているということかもしれないと、
こういうことなわけだ。
ひょっとしたらひどく卑猥なゲームなのかもしれない。

隠れることが卑猥であるならば
あるならば、やっぱり隠れるべきだ君は。
そして見つけるべきだよ。僕が君であるなれば余計に。

なんて奥の深いゲームなんだ。

結局のところ隠れて見つかるだけのゲームなのに
多少のアホくささもさりながら
意味を幾重にも与えることで重厚さが増してきた。
生きることに似てるね。

まあ隠れるよ。

それがいい。

じゃ、呼んで。

もういいかい。

もう、いいよ。
じゃ、探してみて。

さあ、これからだ。


自由詩 哲学かくれんぼ Copyright ブルース瀬戸内 2006-11-14 23:47:08
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