再会
佐羽美乃利

春のひかりの
切れ間で
思いがけず
君と逢えた

容赦ない歳月は
君の何か大切なものを
くすませてしまったように
見えるけど

君の疲れたこころが
まだ冷たい水底で眠り

君の傷んだ素足は
霜枯れた夜の森を
彷徨っていても

誰にも壊せない
ほんとうの君は

何があっても
どんなときでも

愛らしく
すこやかに息づいて
あの花野にいるはずだ

これきりまた
会えなくなるのは
わかっていても

君が
愛を知るひとで
ありますように

愛に支えられるひとで
ありますように

その愛が
僕以外の誰かから
発せられたものだとしても

君をこの世の苦さと痛みから
守り続けてくれますように








自由詩 再会 Copyright 佐羽美乃利 2006-11-13 18:16:10
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