あやとり
なかがわひろか

舞妓よダンスを早よおやり
読経で音頭をお取りなさい

過取りィ
過取りィ

やがて過ぎるは殿のお参り
台所(だいどこ)隠れて嗚咽を我慢

過取りィ
過取りィ

揚げ足取りの舞に興じよ
一本取られた二本取られた
絡まる絡まる四十八手は何番目
ああ何番目
ああ何番目

妖鳥居
妖鳥居

愚かな者は下をお通り
浄化の霧はカタルシス
過信の者は上をお跨ぎ
白い蒸気で喉は丸焼け

過取りィ
過取りィ

赤い糸は白い手首に
絡まるゥ
絡まるゥ

お手をつないで舞に興ぜよ
絡まるゥ
絡まるゥ

ここらでお後がよろしいようで
絡まる二人は

あやとりィ
あやとりィ

(「あやとり」)


自由詩 あやとり Copyright なかがわひろか 2006-11-11 00:35:36
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