「 ばとことびそあ。 」
PULL.
言葉はすでに既製品コンドームに「ことば。」と書いて「かれ、」に被せる。
コンドームはしゃべりはじめるべらべらとしゃべくりはじめるのでうるさい。
来るべきユビキタス社会ではあらゆる指が支障を来します。
ダジャレ嫌いのきみにチャタレー夫人を送るいやらしい悪戯ジャ。
メイドの制服にダディと書くとオヤジになるそんなレディ・メイド・カフェ。
夜と朝のはざまで光と闇のまぐわうその濃淡ノクターン。
他人事のひとり言にひと言多い感想を返す孤独感。
コンドームはうるさい。
やっぱりうるさいので穴を空けようと針を、
我らはガメラの甲羅にカメラを向けて彼らを観察している。
コカコーラを飲む彼らの甲羅に清涼感はないゴミ箱を見ろ。
近づけると、
さらにうるさくなったので、
「かれ、」もろとも針を突き刺した。
仮定された家庭の崩壊はソウテイナイで悲鳴は否定され。
透明な狂気が凶器を帯びて家族に突き刺さる過程の仮定。
悲鳴を上げコンドームと「かれ、」は萎み。
やがてもぞもぞつぶやきはじめ。
探さないで。
温泉で頭を冷やしてきます。
あなたのラドンより。
牧神に導かれ、
イースト菌の群れはエデンの東へと向かう。
生卵を踏みつぶす感触は、
夢破れる感傷にも似て。
親鳥と似て非なる雛鳥の啄む餌はどこか親に似てい。
秒針の震える向こうにいる孔雀は磁石を持って待っていた。
仔山羊の寝巻きを着たマネキン仔羊の夢を見るのぐっどすりーぷ。
あまたの星を巡り旅をして、
そしてあなたの星へと降りました。
イルカのエンドルフィンについて思いをはせる午後。
あっ跳んだよ!。
「あなたたちはイロモノですね。」
そう訊くと、
「かれ、」とコンドームはこう言った。
イロモノですねと訊かれて、
ゲテモノですよと答える。
ばとことびそあ。
既製品のコンドームに書いた言葉。
かすれてこすれて、
もう読めない。
了。