蛍光灯
ロリータ℃。


切れかけた灯が点滅して
夜の空気をざわめかせている
人もまばらな公園で
赤く染まった爪先が
あなたの頬を蹴りつけた

ちらちらと瞬く安い灯りは
薄暗く二人を纏う
その中で白く浮かぶあなたの頬
赤く染まった筈だけれど
どうして此処には月がないのか

セヴンスターに火をつけて
まだ其処にいるあなたを見下す
跪いた姿は無様以外のなにものでもなく
お酒の味がする唇に私は一つキスをした

お月様さえいない夜
私の体をどうか触って
その細く綺麗な長い指で
私の足に触れればいい
今絡めてるその舌で
私の足をなぞればいい

あなたは綺麗な孤独のひと
水を湛える目は柔らかく澄んでいる
抱きしめたいなと思ったけれど
痛んでしまうかもしれない

だから抱きしめられもせずに
私はあなたを蹴りつける
愛していると囁きながら
愛してほしいと呟いた





自由詩 蛍光灯 Copyright ロリータ℃。 2006-11-09 22:59:20
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