十月、ダンス
はらだまさる

ガラスに溺れている
他愛のない光の粒
漫画のような宇宙と
十月に揺れる何かを
五線譜のお皿に
のせたまま

すべての嘘が
優しくほほえんで
窓辺に腰をおろして
待っている

海という
言葉を忘れて
海を眺めている
この場所では
無邪気な大人達が
恥じらいもなく

四分音符を弾いて
恥らうトレブル記号に
ロマンスに敏感な
先っちょで(偏執狂的に)
乱視の音楽で
欲望を着飾った
その感性で
ダンス、
ダンス、ダンス

ガラスに溺れている
寂しさに震える
無力な鳥達の
ダンス






自由詩 十月、ダンス Copyright はらだまさる 2006-11-08 17:22:36
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