「 千手観音 」 
服部 剛

○さん △さん □さん ×さん
ぶつかりあって 
スクラムを組めない 
日常の僕らの職場 

たくさんの言葉で 
自分の正しさを伝えるほど 
はぐれてゆく 
○さん △さん □さん ×さん  



   * 

 

  「


    職場の休憩室のテレビをつける
    と、耳の聞こえない中国の美し
    い少女達が一列に並び後ろから
    ひ            ひ
    と            と
    り            り
    の首に息を吹きかけ、すべての
    両腕は順にひらいて、金の光を
    放射する千手観音があらわれた。


                    」 



   * 



日常を飛び交う 
誰かのとげの言葉達 

じっと口を結んで立ち止まり 
そっと心のそとへ逃がすなら 
すべては過去へと消えてゆく 



( ぼくは きみと
( 言葉の無い会話を交わしたい 



今日という日の五線譜に 
互いの音色を織り成す 
音符となって 








自由詩 「 千手観音 」  Copyright 服部 剛 2006-11-04 21:29:19
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