ミシン
今唯ケンタロウ

i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!

延延と続く背骨の隆起に虹を打付けていった
    ?ミシンを追いなさい?と

i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!

チイキョ チイキョ チイキョ……

 しかしぼくは王座から動くことはしないぞ
今は遣わせるのが 数匹の惨めな仔猫だけだ
としても ―様子はどうだ」「チイキョはチ
イキョの侭でぃすにゃ」「すっとチイキョに
なってますにゃ」「……」(一匹はもう喋れ
ない。)「再び行け。探して来い、仔猫の時
間の終る迄に。崩れ出して、油の流れる管(
当然其処を泳ぐ魚群は探知できないがメロデ
ィーだ)へ通じる道を」仔猫は哀しぃくなっ
た。それでも「行け。チイキョへ」

    チイキョ チイキョ チイキョ……

i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!

 咲 咲   咲……
           ソコニハイチメンニ
ハナガサイテイルトイイマス ワタシハソコ
ヘイツテミタイトオモイマス ツクラレテシ
マツタツミヲ アナタガユルシテクダサルナ
ラバ(アナタノナカニウマレテシマツタ……
ワタシハソコヘイツテ…… ソシテ……

i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!

                そして
あのミシンは旅立った ぼくが科した苦い時
を負いながら だけどそれはぼく自身の痛み
でもあった

i!i!i!i!i!i
           !i!i!i!i!
曲がっていく背骨
そして軌道を離れ彷徨い出すミシン 乱反射
する七色がぼくの視覚を奪った 油が剥がれ
出す細い管の中に入り乱れる 全ての色を取
り戻すために
             ぼくはその入口
を探しあぐねているけど……ああ仔猫は戻っ
て来ないだろう あるいは次はコガネムシか
その次はオカメミジンコか
                 だけど
ぼくは 未だ 王座から動くことはできな
                できなく
i!i!i!i           って
       !i!i!
曲がった        i!i!i!i!
背骨がくっ付いて
しまえばいい この醜い肉が剥がれ落ちた瞬
間 ミシンは出で 油は漂流し 全ての色が
戻る その時 ミシンは見るだろう チイキ
ョ一面に咲き誇った――
i!i!i             ああ
     !i!i!         ア
ぼくは       i!i!i
 王座を           !i!i!
i!i!ぼくは王座を崩れ落ちている
    i!i!色を失った骸骨だけど 
延延と続く背骨のi!i!隆起 に 虹 を
打付けていった     i!i! ミシン
を               i!i!
捕まえていたのだから   ……崩れながら
               何処までも
                 永遠に
彷徨i 
       !
         i

              !
                  i
          !  i   !
      i
        !      i
                  !
                      i
              !     i
         !         i

                       !
                         i

                           !










                           i!






自由詩 ミシン Copyright 今唯ケンタロウ 2006-10-31 23:49:15
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