ハロウィン・ナイト
佐羽美乃利

凍った星屑が
壊れた金平糖のように
降る十月は

魔物が
楽しそうに笑っているよ

人間たちは
人間に飽きて

あやしい魔物に
憧れているのさ

あちこちに
着飾った素敵な彼らが

赤い眼を光らせて
乾杯しているよ

人間は
くり抜かれた
カボチャより

からっぽで
騙しやすいと
思っているのさ

あとひといきで
すべて地上は
魔物たちのもの

君も彼らと一緒に
踊る気なのかい

つめたい朝が来て
黄泉の風が
忍び込むまでは

眩しく
にぎやかな
祭の夜さ





自由詩 ハロウィン・ナイト Copyright 佐羽美乃利 2006-10-31 19:51:16
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