一夏 (side A)
まほし
洗面器に金魚を二匹放したら波紋にひかる新月の影
告白に一瞬ときがとどまって乱反射する川が痛いよ
自転車に初めて乗れた日の風を呼びおこしてる恋のはじまり
まひるまの星のパルスに目眩んできみのうなじにとかす火照りを
ミクロンの誤差にゆらいで手をつなぐふたりは対の
櫂
(
オール
)
のようで
「オ互イノ未来ノタメニ」おとといの豪雨にひとり、今も濡れてる
(つまさきに銀の逆流)夏草にはしゃいだ日々はちぎれて空へ
青光る線香花火の玉落ちて目覚めたら秋千色の窓
短歌
一夏 (side A)
Copyright
まほし
2006-10-30 21:11:51
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