茉莉香

透明にて頬をつたい
ほろりと落ち袖元を濡らし
貴方の元へ行ければと
恋しき心彷徨い途方に暮れれば
能の面のようになっていると
囃し立ててた貴方が浮かぶ

嘗て泣くこと弱さと思い
感動悔しさ心に秘めて
決して表に出さずにいると
冷徹と囁かれたものです

抱き締めた亡き猫を見つめ
初めて私が人前で声を抑えて泣いた時
貴方は顔色変えることなく
一緒にはらはら涙を流し
泣くことは怖くないと
弱さではないと諭したのです

涙は心を浄化して記憶を過去のものにする
涙は想いを美しく心の底へ誘う薬











自由詩Copyright 茉莉香 2006-10-30 18:11:24
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