希望の光
チアーヌ

他人がわからないのは重々承知でも
あなたのことはちょっとわかる気がして
だから絶対に踏み込めない壁を感じて
そう思いながらも同じ電車に乗っていたいような
そんな気がして

終電逃したかなって思うときも
光が向こうからやってくる
夢を見る

もっと会っていたいよ
この世が終る時まで
本当は

結露した窓ガラスに
指先でそっと書くメッセージ
そこからのぞいたら
遠くに走る電車の灯り

弱虫なわたしを笑って
踏み込んで血を流しても
もう何も生まれないと
知ってしまったわたしを笑って
どこにも行けないわたしを笑って
失えないわたしを笑って
歯車にしかすぎないわたしを
あなたは笑って
あなただけは

あなたを失う時は
わたしも失うから

ぼんやりとした光
結露の向こう


自由詩 希望の光 Copyright チアーヌ 2006-10-30 12:08:08
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