52、さざなみ
雨宮 之人

水面に 乱反射
オレンジと 銀色と
さらさらと風
きらきらと揺れ
浮かび上がる
水鳥のシルエット

夕景が
夜の闇に溶ける前に
浮かんだ小船の 孤独を思う

風に吹かれた
さざ波に揺られた
そんな僕らの 不安を思う

漂いながら そうやって僕ら
星を見上げ いつだって僕ら
いつまでも 明日を待っている
さざ波に揺られ 灯台に照らされ
名も無き航海をあても無く…

乱反射するオレンジに
浮かび上がったシルエット
羽を散らして 水鳥は飛び立った


自由詩 52、さざなみ Copyright 雨宮 之人 2006-10-29 21:30:01
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
字書きさんに100のお題