花瓶とコルク
砂木

はずされてからは 机に
並んだままのコルク

昔いた場所には
白と黄色の花が
さし込まれている

細い緑の茎から
吸上げる水は
今は 無関係な液

祝うために届けられた
紅い液のための コルク

驚いた笑顔と
静かな灯りのための

そそがれた眼差し
閉じ込めた 日付け記した瓶の
横に 並んで

窓辺の カーテン開けて
今日の光に包まれて

飲みほしたものは まだ流れる
何処かへ いってしまうから どうぞ

戻れなくとも ここから
並ばせて ふさぐ コルク





自由詩 花瓶とコルク Copyright 砂木 2006-10-29 15:22:56
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