静止連想
つめきり

(静かなるもののかげりに
文字は ばらばらになって
ぎこちない句読点をうつのをやめた)

とぎれとぎれ斜陽誓詞をよみあかす
 きょうゆう の後の
接続を どこにも連ねることが
できない
聖なる行進の
間隙を埋めるための
ことばは きっと
あるはずなのに
 点在した
秩序が、等号でむすばれない数を
ばらばらにすると 方位さえ
わすれて しまう ぼくらに
あたえられた光は 空席にしかなく
 くだける かけらには
脆さと同じくらいの
 面影にたつ
  かなしみしか うつらない

たったひとりの
失脚によって くずれてしまう
直列の叙述が
離散した衝動になって かなしみに
未分化のまま だれにも
悟られないでいるの
かもしれない

空前の みゃくらくをほどいた
低空飛行で致命傷をのがれる
リアリズムに すれすれで
接した気がした
ぼくに

0・3mの高度が片手で ふれる

感触に予感が ほとばしる
無双の行き来の絶後

墜落した事実が かげになる
淡さを 無傷として
静止する かたわら
夢からさめた


自由詩 静止連想 Copyright つめきり 2006-10-27 18:45:40
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