ポぅくり
yozo

泡だけは
沈んでけば
いーのに
未練がましく何故
昇るソレを
ボクは
見上げなくては
いけないんだろう

乳白に
ポぅくり
煙りのがまだ
軽やかだ
唇を撫でるよう
最後に吸った1本は
旨かった
そういえば
魂のかわりに
吐き出せると
知ってから
ボクの喫煙は
はじまったんだったなぁ
など

口元が微笑むとまた
ポぅくり
泡が無惨に
きらきら
昇っていく
俯こうが上がる
手で払って散らす
あっちゅー間に消えやがる







「目は開けられるようになったんだ」
キミに告白した時
 (いろんな光に透けた空気が動いて風になったから)
あの時
 (伝わらなくてもいーやって)
「言う」
ことがまだ
ボクには
やっと
だったから

「知ってた。」
と言われたの
なんであんなに
嬉しかったかな
(無敵だったかも一瞬)
あの一瞬
そんなのが
1つでもあって良かった
言葉もマンザラじゃーないジャンて
本当に一瞬だけ
泡よりも上を行った
キミは笑ってた
ボクは
はしゃいで
クロールの
真似をした










 泡は昇る
 理由なら学校で習った
 現に、フぅ。とやれば
 ポぅくり
 年齢やその日の体調、性別にも関わらず
 フぅ。と

 そこいらを見渡せば
 上の方に
 吹き溜まってるのなんか
 簡単に見つけられるでしょ
 要は
 それだけのコトだった
 て
 コト
 で







俯きツバ吐くよーにポぅくり
昇るソレを見上げ溜息ポぅくり
女の子達の語らいポぅくり
ボク等の後悔と同等の夢ポぅくり











 キミの
 声は
 簡単に思い出せます
 どんな
 複雑な音が
 耳の膜を擦ろうが
 そんなのはなんの障害になるはずも無く
 です

今度
キミに会えたら
ボクは
そう告白する
気合いをいれると
乳白に光る泡が
ボクの唇から
立ち昇っていく
かもしれない
キミに
見られたく
なかったんだけど
久しく吸ってない
煙草で誤魔化すのも
カッコ悪いし
うん







きっと最後まで
泡は優々とその身をくねらせ
高く遠く昇っていく
忌々しく見上げるボクがやはり
一生こーして
毒を吐きながらいるんだろーけど
それさえ
他と変わらず
光を屈折させた煌めきをまとい
高く
遠く
昇っていく
吹き溜まる











    ポぅくり

キミが少し笑ってくれれば


自由詩 ポぅくり Copyright yozo 2004-03-20 05:15:23
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