夕病み
yozo

キミは何か間違っている。と
目覚めの次にインプットする。と
一日がゆっくり動きはじめる
先週工事していたビルは
1階をシャネルに似せたカフェで取り繕って綺麗
寝起きからローストの匂い 気がまぎれる
煙草吸えないからちょっとヤだった
これなら少し気分が薄れる

夕暮れも最初は無意識なのね。と
河岸にそびえるマンションを眺める。と
どんな窓も一様に暗がりで
空だけが鱗状青のくせに薄ピンクに発光する
地に足は見上げるしか出来ないねと笑う
街中は廃ガスさえ開花のニオイで埋もれる
寒かろうが鳴き叫ぶ蝉の音もそーだったけど
とりたてて自己主張では無いのだろう

準備なくポンと来てしまったので。と
それだけはボク等の共通項だろう。と
とりあえずキミは鳴いてみたようだ
音として認知されなかったとしても
ニオイや振動が伝わった誰かに光をもって結ばれる
一瞬
失敗で闇に戻ったとしても
チャンスはまたあるだろう
聞こえなくても匂う
失敗は成功の元なんだか巡回しか出来ないので


茜んで逝く空だった
鼻を掠めるニオイの粒だった
切れかけの1214号室の蛍光灯だった
いつも気付けば1つを終えてしまっているから
ふ。と
目に映ると驚き
見えなかったとしても鼻を動かし
動けなくても光っているような気がして
何か置いてきてしまった物を探すフリで
所在無く胸をドキドキさせる
眠る前の深呼吸の代わり


自由詩 夕病み Copyright yozo 2004-03-20 05:11:44
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