恋道
ささやま ひろ

この落ち葉を踏む感じがたまんないんだよなぁ

あなたは言った

私は
どちらかというとヒンヤリとした空気を
胸いっぱいに吸い込むのが好きだった


深まる秋の朝

そこここに澄んだ空気と

まだどの色にも染まっていない一日



あの頃確かに

二人で歩いた道

それが恋とも知らずに

私たちは

当然のように一緒に過ごした



あの時

この落ち葉一枚分のいたわりがあったなら



そっと踏んでみる



大好きな季節なのに



あなたがいない




自由詩 恋道 Copyright ささやま ひろ 2006-10-25 23:57:00
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