創書日和「流」
イズミナツキ

電車に揺られて
ちゃんと見えない景色
この電車は
終点に着けば
もう一度
同じ線路を走る
あの駅で
降りるはずだったけど
もう
次の駅を降りる気もしないや

昨日は
もうやってこない
歩いても
歩かなくても
明日は
流れてくる
水の流れのように
昨日が流れてくればいいのに
そしたら
もしかしたら
あなたの涙は
流れないかもしれないのに

振り返っても
昨日は来ない
ただ
手を振って
記憶に流れ込む
だけ


自由詩 創書日和「流」 Copyright イズミナツキ 2006-10-25 21:56:29
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