希望行
水中原動機

目の前の風邪薬を
全部飲んでしまいたい
衝動にかられてしまったので
空を見上げました

ここは一晩中仄かに
白明るくて星のひとつも
見えやしない

虫の声なんかしないし
遠くに川のせせらぎとか
波の音なんてものは
聞こえないのです

それでも少しだけ
なぜかほんの少しだけ
救われたのは

触れる空気は冷たくて
風もゆるやかに流れていて
ゴトゴトゴトゴトスィ〜ゴ
トゴトゴトクィ〜

夜の貨物列車が絶望ごと
どこかに運んでくれるかも
なんて思えたからなのです






自由詩 希望行 Copyright 水中原動機 2006-10-24 03:51:33
notebook Home 戻る  過去 未来